【猫の腎臓サポート】ベッツワンとロイヤルカナンどっち?成分・口コミを徹底比較!

ペット

「動物病院で、愛猫が腎臓病だと診断された…」
「療法食を勧められたけど、種類が多くてどれを選べばいいかわからない」

大切な愛猫の腎臓病宣告は、飼い主にとって大きな不安と戸惑いを伴うものです。

特に、毎日の食事となる療法食選びは、愛猫のQOL(生活の質)を左右する重要な選択。

中でも、動物病院でよく勧められる「ベッツワン」と「ロイヤルカナン」の腎臓サポート食は、多くの飼い主さんが「どっちがいいの?」と悩む代表的な選択肢ではないでしょうか。

ベッツワンは比較的新しいブランドながら、その品質で注目されています。

一方のロイヤルカナンは、豊富なラインナップと長年の実績で絶大な信頼を得ています。しかし、両者の具体的な違い、特に重要な成分や猫の「食いつき」に関する違いは、一見しただけでは分かりにくいものです。

そこでこの記事では、獣医師監修のもと、腎臓病の猫のための療法食「ベッツワン」と「ロイヤルカナン」について、あらゆる角度から徹底的に比較・解説します。

この記事を最後まで読めば、あなたの愛猫の状態や好みに合わせて、どちらのフードがより適しているのか、自信を持って判断できるようになるでしょう。

この記事のポイント

  • なぜ腎臓病の猫に療法食が必要なのか、獣医師が重視する成分を解説
  • ベッツワンとロイヤルカナンの主要成分(リン・タンパク質など)を徹底比較
  • 「スペシャル」「セレクション」などロイヤルカナンの豊富な種類を分かりやすく整理
  • 実際の利用者の「口コミ」から食いつきの違いを分析
  • 愛猫の状態に合わせた具体的な選び方のヒントを提案
スポンサーリンク

猫の腎臓病と療法食の重要性

まず、なぜ腎臓病の猫に専用の「腎臓サポート」療法食が不可欠なのか、その理由を正しく理解しておきましょう。

なぜ腎臓病の猫に「腎臓サポート」療法食が必要なのか?

猫の腎臓は、血液中の老廃物をろ過して尿として排泄する、非常に重要な役割を担っています。しかし、腎機能が低下すると、これらの老廃物(尿毒素)が体内に蓄積し、吐き気や食欲不振、脱水など様々な症状を引き起こしてしまうのです。

残念ながら、一度失われた腎機能は元に戻りません。 そのため、腎臓病の治療は、残された腎機能をいかに守り、病気の進行を緩やかにするかが目的となります。

そこで中心的な役割を果たすのが「食事療法」です。腎臓サポート食は、腎臓への負担を軽減するために、栄養バランスが特別に調整されています。研究によって、適切な食事療法が腎臓病の猫の生存期間を延長させることがわかっています。

療法食選びで獣医師が重視する3つのポイント

獣医師が腎臓病の療法食を選ぶ際に特に重視するのは、「リン」「タンパク質」「ナトリウム」の3つの栄養素です。

  1. リンの制限
    腎機能が低下すると、体内のリンをうまく排出できなくなり、血液中のリン濃度が高くなります。高リン血症は腎臓病をさらに悪化させる要因となるため、食事中のリン含有量を制限することが極めて重要です。 リンのコントロールは、腎臓病の進行を遅らせ、寿命を延ばす効果が期待できる、食事療法における最重要項目の一つとされています。
  2. タンパク質の量と質の調整
    タンパク質は猫にとって必須の栄養素ですが、その代謝産物である窒素性老廃物は腎臓から排泄されます。腎臓への負担を減らすため、療法食ではタンパク質の含有量が制限されています。[1][4] しかし、単に制限しすぎると筋肉量が落ちてしまい、かえって猫の予後を悪くする可能性も指摘されています。[7] そのため、少ない量でも体内で効率よく利用できる「高品質なタンパク質」を使用することが重要になります。
  3. ナトリウムの制限
    ナトリウム(塩分)の過剰摂取は高血圧を招き、腎臓にさらなるダメージを与える可能性があります。[1][4] 腎機能が低下するとナトリウムの排出も滞りやすくなるため、療法食ではナトリウムの含有量が調整されています。

これらのポイントに加え、抗炎症作用が期待される「オメガ3脂肪酸」や、失われやすい「ビタミンB群」「カリウム」などが強化されていることも、良い療法食の条件です。

【徹底比較】ベッツワン vs ロイヤルカナン 腎臓サポート

それでは、本題である「ベッツワン」と「ロイヤルカナン」の腎臓サポート食を具体的に比較していきましょう。

比較の前に:両ブランドの特徴をおさらい

ベッツワン(VETSOne)
ベッツワンは、動物病院向け通販サイト「ペットゴー」が展開するプライベートブランドです。

国際基準であるGMP・HACCP・ISO9001の認定を受けたタイの工場で製造されており、品質管理が徹底されています。比較的新しいブランドですが、品質の高さとシンプルな製品ラインナップで、多くの獣医師と飼い主から支持を集めています。

ロイヤルカナン(ROYAL CANIN)
フランスに本社を置く、世界的に有名なペットフードブランドです。長年の研究と実績に基づき、犬種・猫種別、年齢、健康状態に合わせた非常に豊富なラインナップを誇ります。

猫の腎臓サポート食だけでも複数の種類があり、猫の食欲や好みにきめ細かく対応できるのが最大の強みです。

主要成分を比較!リン・タンパク質・ナトリウムの違いは?

ここでは、両ブランドの代表的なドライフードの成分を比較します。腎臓病の進行度や個体差によって最適なフードは異なるため、あくまで参考値としてご覧ください。

【ベッツワン vs ロイヤルカナン 腎臓サポート(ドライ)成分比較表】

製品名リンタンパク質ナトリウムカロリー (per 100g)特徴
ベッツワン 猫用 腎臓ケア チキン0.44%26.0%以上0.23%409 kcalリン・タンパク質を制限。オメガ3脂肪酸やフラクトオリゴ糖を配合。
ロイヤルカナン 猫用 腎臓サポート0.3%21.0%以上0.4%416 kcalリンを厳格に制限。嗜好性にも配慮したスタンダード製品。
ロイヤルカナン 猫用 腎臓サポート スペシャル0.44%24.0%以上0.4%392 kcal猫が好む香りで食欲を刺激。食欲低下に配慮。
ロイヤルカナン 猫用 腎臓サポート セレクション0.38%22.5%以上0.3%413 kcal2層構造の粒で独自の食感。食感にこだわる猫に。

(注)上記は保証成分値や標準的な分析値です。製品のリニューアル等により変更される場合があります。正確な情報は各メーカーの公式サイトや製品パッケージをご確認ください。

比較からわかること

  • リンの制限レベル: 表を見ると、ロイヤルカナンのスタンダードな「腎臓サポート」が最もリンの含有量を低く抑えています。ベッツワンとロイヤルカナンの「スペシャル」は同程度のリン含有量です。
  • タンパク質の量: 全体的にタンパク質は控えめですが、製品によって差があります。一般的に、腎臓病のステージが進むほど、より厳しいリンやタンパク質の制限が推奨される傾向にあります。
  • コンセプトの違い: ロイヤルカナンは「腎臓サポート」を軸に、猫の食欲を刺激するための選択肢(スペシャル、セレクション)を用意していることがわかります。 一方、ベッツワンは腎臓ケアに必要な要素をバランス良く配合した、シンプルで分かりやすい製品構成です。

どのフードを選ぶべきかは、愛猫の血液検査の結果や病状、食欲などを総合的に判断する必要があります。必ず獣医師と相談の上、最適なフードを選択してください。

猫の「食いつき」を左右する違いは?口コミ・評判を分析

療法食で最も飼い主さんを悩ませるのが、愛猫が「食べてくれない」問題です。腎臓病の猫は食欲不振に陥りやすいため、いくら成分が優れていても、食べてくれなければ意味がありません。

ここでは、実際の利用者の口コミを参考に、両ブランドの「食いつき」に関する評判を見ていきましょう。

ベッツワン 猫 腎臓 の口コミ

「病院でサンプルを沢山貰ったのですがどれも全く食べず…皆さんのレビューをみて今回初めてベッツワン商品を買ってみました。『私のあの苦労は何だった?』くらいよく食べてくれます!ビックリしました!」

「今まで食べさせてきたいくつかのフードは初めは食いつきが良いのですがしばらくすると飽きてきてしまうのが悩みで…粒の大きさもうちの子には合っているみたいで美味しそうに食べてくれた」

ベッツワンの口コミで目立つのは、「他の療法食を食べなかった子が食べてくれた」という声です。

粒が小粒で食べやすいと感じる猫もいるようです。 療法食ジプシーに陥った飼い主さんにとって、試してみる価値のある選択肢と言えるでしょう。

ロイヤルカナン 猫 腎臓サポートの 口コミ

「猫が好む香りで食欲を刺激し、腎臓病による食欲低下に配慮しています。」

「(セレクションは)長方形で中が柔らかい。ちょうど『シーバ』のような形状ですね。」

ロイヤルカナンは、その豊富なラインナップによって「飽きさせない工夫」ができる点が評価されています。スタンダードなフードに飽きてしまっても、「スペシャル」の香りで興味を引いたり、「セレクション」の異なる食感で気を引いたり、ウェットタイプの「パウチ」を試したりと、様々なアプローチが可能です。

食いつきが悪い時は、フードを少し温めて香りを立たせたり、お湯でふやかしたり、ウェットフードをトッピングしたりといった工夫も有効です。

【タイプ別】ロイヤルカナン腎臓サポートの選び方

ロイヤルカナンは選択肢の多さが魅力ですが、逆にどれを選べば良いか迷う原因にもなります。ここでは、ドライフード3種類とウェットフード(パウチ)の特徴を整理し、選び方を解説します。

まずはコレから「腎臓サポート」(スタンダード)

最もリンの含有量が低く調整されている、基本となるフードです。まずはこれから試し、愛猫の食いつきや体調の変化を見るのが一般的です。丸い形のオーソドックスな粒です。

こんな猫におすすめ

  • 初めて腎臓病の療法食を試す猫
  • 獣医師から特に厳しいリン制限を指導されている猫

食感に変化をつけたいなら「腎臓サポート セレクション」

最大の特徴は、外側がカリッとしていて、中が柔らかい2層構造の粒です。 この独特の食感が、食欲が落ちてきた猫の興味を引くことがあります。四角いクッキーのような形状です。

こんな猫におすすめ

  • 同じフードが続いて飽きてしまった猫
  • カリカリとした食感が好きな猫

香りで食欲を刺激する「腎臓サポート スペシャル」

腎臓病で嗅覚が敏感になったり、逆に鈍くなったりする猫のために、独自の香りを強化して嗜好性を高めたフードです。 三角形のおにぎりのような形をしています。

こんな猫におすすめ

  • 匂いにこだわりがあり、食の好みが難しい猫
  • 腎臓病による食欲不振が見られる猫

水分補給も同時にできる「腎臓サポート パウチ(ウェット)」

腎臓病の猫にとって、水分をしっかり摂ることは非常に重要です。ドライードをなかなか食べない猫や、脱水が心配な猫には、ウェットタイプのパウチがおすすめです。チキン、フィッシュ、ビーフなど複数のテイストがあり、猫の好みに合わせやすいのも利点です。

こんな猫におすすめ

  • ドライフードの食いつきが悪い猫
  • 飲水量が少なく、脱水が心配な猫
  • 口内炎などで硬いものが食べにくい猫

結局どっちを選ぶべき?愛猫の状態に合わせた選び方のヒント

ここまでの比較を踏まえ、どのような場合にベッツワン、ロイヤルカナンがそれぞれ適しているのかをまとめました。

こんな猫には「ベッツワン」がおすすめ

  • シンプルな選択肢から選びたい場合
    ロイヤルカナンのように多くの選択肢に迷うことなく、「猫用 腎臓ケア」という明確なフードから始めたい飼い主さんには、ベッツワンが分かりやすいでしょう。
  • 他の療法食を食べてくれなかった場合
    口コミにもあるように、他のブランドの療法食を拒否した猫がベッツワンなら食べたというケースは少なくありません。療法食選びに難航しているなら、試す価値は十分にあります。
  • 品質管理を重視したい場合
    ベッツワンは国際基準の認定工場で製造されており、その品質管理体制は大きな安心材料です。

こんな猫には「ロイヤルカナン」がおすすめ

  • 食の好みにうるさい、食欲にムラがある猫
    「スペシャル」「セレクション」「パウチ」といった多彩な選択肢は、食にうるさい猫や、日によって食欲が変動する猫への「切り札」になり得ます。
  • 病状や好みに合わせて細かく選びたい場合
    リンの制限レベルが異なるフードや、ドライ・ウェットを組み合わせるなど、愛猫の状態に合わせて柔軟な食事管理を行いたい場合に、ロイヤルカナンの豊富なラインナップは非常に心強い味方となります。
  • ウェットフードも積極的に取り入れたい場合
    水分補給の観点からも重要なウェットフードの選択肢が豊富な点は、ロイヤルカナンの大きなメリットです。

療法食を始める前に知っておきたい注意点

最後に、腎臓サポート食を与える上で、すべての飼い主さんに知っておいてほしい重要な注意点を3つお伝えします。

必ず獣医師の診断・指導のもとで与える

腎臓サポート食は、その特殊な栄養バランスから、必ず獣医師の診断と指導に基づいて与える必要があります。

飼い主さんの自己判断で健康な猫に与えたり、腎臓病以外の病気を持つ猫に与えたりすると、かえって健康を害する危険性があります。

どのフードが最適かは、血液検査の結果や猫のステージによって異なるため、必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。

フードの切り替えは慎重に

突然フードを切り替えると、猫が警戒して食べなくなったり、消化不良を起こしたりすることがあります。

新しいフードに切り替える際は、これまで食べていたフードに新しいフードを少量混ぜ、1週間〜10日ほどかけて少しずつ割合を増やしていくようにしましょう。

他のフードやおやつは与えてもいい?

せっかく療法食でリンやタンパク質をコントロールしていても、おやつなどでそれらが過剰になってしまっては意味がありません。

基本的に、療法食を与えている期間は、他のフードやおやつは与えないのが原則です。

どうしても何か与えたい場合は、腎臓病の猫でも食べられるおやつが市販されていますので、必ず獣医師に相談してからにしましょう。

まとめ:愛猫の健康のために、最適な腎臓サポート食を見つけよう

今回は、腎臓サポート食として代表的な「ベッツワン」と「ロイヤルカナン」について、どっちを選ぶべきか、成分や口コミを基に徹底比較しました。

  • ベッツワンは、徹底した品質管理のもとで作られた、シンプルで分かりやすい腎臓ケアフード。他の療法食を食べなかった猫が食べてくれる可能性も秘めています。

  • ロイヤルカナンは、長年の研究に裏打ちされた豊富なラインナップが魅力。「スペシャル」や「セレクション」、「パウチ」などを使い分けることで、食欲不振の猫にも柔軟に対応できます。

どちらのフードが優れているということではなく、それぞれに異なる強みがあります。最終的に最も大切なのは、愛猫が継続して食べてくれること、そしてそのフードが愛猫の病状に適していることです。

この記事で得た知識を参考に、ぜひかかりつけの獣医師とよく相談し、あなたの愛猫にとって最高のパートナーとなる一食を見つけてあげてください。あなたの選択が、愛猫の穏やかで快適な毎日へと繋がることを心から願っています。


FAQ セクション(よくある質問)

Q1: 腎臓サポートの療法食は、健康な猫が食べても大丈夫?
A1: いいえ、与えないでください。腎臓サポート食は、リンやタンパク質などが健康な猫に必要な量よりも制限されています。健康な猫が長期間食べ続けると、栄養不足に陥る可能性があります。療法食は、必ず獣医師の診断を受けた猫にのみ与えてください。

Q2: 療法食を全く食べてくれない場合はどうすればいい?
A2: まずはフードを人肌程度に温めたり、お湯でふやかしたり、ウェットフードを混ぜたりといった工夫を試してみてください。ロイヤルカナンのように嗜好性が異なる種類(スペシャル、セレクションなど)を試すのも一つの方法です。それでも全く食べない状態が続く場合は、強制給餌や他の治療法が必要になることもありますので、すぐに動物病院に相談してください。

Q3: ベッツワンとロイヤルカナンを混ぜて与えてもいい?
A3: 基本的には、単一の療法食を与えることが推奨されます。異なるフードを混ぜると、計算された栄養バランスが崩れてしまう可能性があるためです。もし食いつきなどの問題で混ぜることを検討する場合は、必ず事前に獣医師に相談し、その比率や妥当性について指導を受けてください。

Q4: 療法食はいつまで続ける必要がありますか?
A4: 慢性腎臓病は完治することがない病気のため、食事療法は基本的に生涯にわたって続ける必要があります。定期的に獣医師の診察を受け、血液検査などの結果を見ながら、その時々の状態に合わせてフードの種類や与え方を見直していくことが大切です。

Q5: 療法食はどこで購入できますか?
A5: ベッツワン、ロイヤルカナン共に、動物病院や、動物病院の許可を得て購入できるオンラインストアなどで購入できます。ベッツワンはブランドの性質上、オンラインの「ペットゴー」などで入手しやすいです。ロイヤルカナンも多くの動物病院やオンラインストアで取り扱いがあります。かかりつけの動物病院で購入するのが最も確実です。

スポンサーリンク
ペット
madaをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました